大阪・十三 焼肉の請来軒 ブログ


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 大阪福島 日本料理こなつ

  2019年09月02日 (月)

6月のとある日やって来たのはグルメ激戦区「福島」、ここに私が本当に美味しいとその味に惚れ込み通っているお店があります。

行列が出来る有名な某おでん屋さんの分店の数軒先にそのお店はあります。

人通りの少ない静かな路地にあるのが日本料理「こなつ」さん、2018年6月にオープンされ大将と女将さんお二人で切り盛りされている界隈でも新しいお店です。

カウンター6席と通された4名定員のテーブル席一卓のこじんまりとした店内です。

先ずは生ビールで乾杯、こなつさんは8000円のコース一本で営業されています。

見た目も鮮やかな前菜からこなつワールドの幕が上がります。

強い甘みとのど越しがたまらない「トウモロコシのすりながし」。

爽やかな酸味が食欲をそそる「鱧の南蛮漬け」、こなつさんは質の良いお酢を使われているので鼻につかずまろやかな味わいです。

阿波牛のしゃぶしゃぶには甘酸っぱいジュレ、こちらはきりっとした酸味で肉の甘みを引き出されています。

私の中でこなつさんの料理を代表するのがこの椀物、これが一番楽しみで毎回唸らされる椀ばかりです。

鱧の落としや色鮮やかな野菜がお椀に彩を添えますが・・・

何よりこの出汁が秀逸で日本料理として極限まで研ぎ澄まされた旨味の結晶、このお椀だけは五感を集中しないと味がぼやけてしまいます。

椀物で熱くなった体をクールダウンするにはやはり冷酒、大将も女将さんもソムリエの資格を持ちワインから日本酒・焼酎と選りすぐりのリスト。

日本酒好きの私もここでは女将さんにお任せ、料理に合った日本酒をサーブして下さいます。

開店当初からのレギュラーメニュー「蒸し鮑」、あくまで素材の邪魔をしない出汁で煮られ風味づけにユズを少々。

旨味を逃さず柔らかく煮た鮑の身と滋味深いキモ、磯の香りが満載で日本酒に最も良く合う料理です。

続いてはお造りですが、ここにも大将のこだわりが詰まっています。

甘みの強いイカには隠し包丁が入っていますが、それが不要なぐらいねっとりとした身は食感も楽しめます。

少し寝かして旨味を凝縮した鳴門の鯛、口に含むと上品な脂がじんわりと広がって行きます。

磯の風味がたまらない岩のりもこなつさんの定番、魚に合わせればその旨味が引き立ちそのままでも立派なアテになります。

食べやすいようにほぐされたカニ身と濃厚な内子のコラボ、これも高次元でバランスの良いお皿です。

タコの焚き合わせは揚げた里芋とオクラと共に、味付けが繊細なので料理が進むにつれて大将の味に舌が支配されていきます。

この日の焼物は珍しい鱒の幽庵焼き。

鱒に限らず魚の皮に付いている脂は絶品、くどくなくサラッと香ばしく日本酒が進みます。

しかしその身は私が知っている鱒の味とは違い野趣深く、かつ程よい脂が行きわたり鮭とは似て非なる物でした。

口が寂しくなったので白ワインで鱒を、でも魚でありながら旨味が強いので赤ワインでも負けることはありません。

コースの〆はごはんと香の物。

グループごとに釜で炊き上げたお米はそれだけでもご馳走、このごはんもぜひゆっくり噛みしめて味わって欲しいお米です。

さり気なく、そしてごはんをより一層引き立てる脇役たち。

コース終盤でもこのお味噌汁は抜かりなし、味噌とダシ本来の味に太くシャキシャキ鳴門のワカメにとどめを差されます。

甘味でこなつさんのコース料理は終了。

ご覧のように派手さはありませんが力強さが半端ないお料理の数々、福島に移転前は四国は徳島でご活躍されていた「こなつ」さん。

その立地から玉石混交の飲食店が林立している福島で本当に「旨い!」と思えるこなつさん、食材も方言も徳島に徹底している大将の温かいホスピタリティも是非味わって下さいね。


請来軒   大阪市淀川区十三本町1−2−6     電話:06−6390−1739
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