9月にあった二週連続の連休、普段なら旅にてかけるのですが今回はどこも行かず(-_-;)
47都道府県完全制覇から急に旅行への意欲がなくなったんですが、やはり当ブログの9割は旅ネタ・・・
また連休があるので新しいテーマを見つけながら旅を再開するつもりです。
そんなこんなで残暑どころか真夏に逆戻りの9月のある日、やって来たのは魑魅魍魎な魔物が棲む街「北新地」。
本通りのとある雑居ビルの4階にある「寺田屋」さん、今宵は最近ハマっているこちらで渋~~いジャンルの料理を楽しみます(*^^)v
ドアのプレートには「洋食、ときどき和食、そして美酒」の文字が、ここは一風変わった洋食が頂けるお店なんです。
寺田屋さんのHPには「元々はワインバー、その前はスナックであったであろう空間を居抜きで使用しております。」、確かにそんな雰囲気のこじんまりとした店内です。
壁のホワイトボードに書かれたメニューには前菜からメインに〆の炭水化物があり、自分で好みのコースを作るのも楽しみの一つです(^^;)
確かに鰆のムニエルや特製ハンバーグといった洋食以外に「しらすと若芽の和えたん」なる和食もあります。
洋食屋さんなんで乾杯はスパークリングワイン、ボトル売りですが飲めなかったらお店のママが喜んでお手伝いをしてくれます(^^ゞ
スターターとして必ずオーダーする「ほうれん草のキッシュ」、バターも生クリームもスパイスもほうれん草を邪魔しないでかつその存在感もしっかり。
何よりパイ生地の上に敷いてある飴色になるまで炒められた玉ねぎ、焦げは微塵も感じず驚くほど甘くなった玉ねぎを味わって私がこちらのお店が美味しいと確信した逸品です(^^♪
これまた是非オーダーして欲しい「ピスタチオ入り田舎風パテ」はひき肉やレバーのコクや旨味が凝縮、また独特のスパイスが引き立て役でキッシュ同様シェフの丁寧なお仕事が伝わって来ます。
オーダーした帆立カルパッチョは一般的なそれと違いビネガー不使用、オリーブオイルもかかっておらず味付けはレモン汁に少しのスパイスのみ。
なのに美味しいお皿に仕上がっているのが野菜の存在、素材の持つ水分のみを使って蒸しながら煮る「エチュベ」という調理法で旨味がシンプルに伝わって来ます。
フランスのビオとチリ産が選べるワイン、ボトルはお手頃な価格帯で料理も進んでいきます( ^^)
ポテサラは食材・スパイス・シェフの腕でシンプルながらも奥深い料理に(^^)/
この日のメイン「フレッシュフォアグラ」の登場、原価計算が苦手な寺田屋さんは高価な食材を驚くほどリーズナボーのお値段で提供してくれます(^^;)
惚れ惚れするルックスのフォアグラは味は濃いですがオイリーさを感じない一級品、こんなお皿が食べれるなんて寺田屋さんの引き出しは無限です。
無理言って付けて頂いた特製ハンバーグ、もうねもうねもうね「旨い」しか言葉はナシ(;O;)
インパクトは弱めですがじんわりと旨味が広がっていき、飲み込む瞬間肉汁が喉と鼻腔を突き抜けていきます(^^♪
「これでシーズン最後です」と供された山形産のだだ茶豆は香りも味も濃く、でもワインにはちょっと合わないな~(・_・;)
でもご心配は要りません、そんな時は無濾過原酒を中心とした地酒がスタンバイしています。
個性的な日本酒ばかりですが洋食の口でも全然問題なし、何故なら寺田屋さんのお料理は和食並みに繊細な味付けばかりなので逆に相性が良いです。
ピューレにしただた茶豆をアテに日本酒を一献、ここでの料理とアルコールとは無限の組み合わせがあります(◎_◎;)
〆のパスタはボロネーゼがこれも一口目のパンチは弱いけど、食べ進むにつれてトマトの風味や肉の旨味の輪郭がハッキリと強く襲ってきます。
このボロネーゼソースに寺田屋さんのデミグラスソースはジャンキーな舌の方には薄味に感じるでしょうが、どちらもメインの食材を邪魔しなく、かつさり気なく引き立て役になるソース本来の使命を感じる味付けです(^.^)/
料理以上にいい味を出しているのが寺田屋さんのママで品のある話し方と豪快な笑い声のギャップが魅力、ママと相談しながら料理を選ぶのも楽しいひと時です。
それにしてもこのビルには個性的なママがいるお店が多いのは偶然なのか、それとも神のいたずらなのか(・・?
こちらはお土産に好評な「レンコン和牛サンド」、午前様になってもこれを持って帰れば無罪放免になるでしょう(^_-)-☆
様々なフレンチの手法で素材を楽しませるシェフの料理、その経歴を聞けば納得でそういう料理が破格のお値段で頂ける寺田屋さん。
ムーディーな雰囲気や空間を望むなら他所のお店へどうぞ、ここでは気軽にでも驚くほど正統派の洋食に出会えるファインダイニングです(^^;)