今思い返せばコロナ騒動が小康状態になったと誰もが感じた6月下旬、そんな一人である私が今宵やって来たのは北新地「寺田屋」さん。
今年の正月に8月末で閉店とのアナウンスがありましたが急遽6月末に変更となり、幸運にもラストウィークの予約を取れての訪問。
営業最終週なのでしんみりかと思いきや、笑い声があふれるいつもの寺田屋さん。
まずは爽快なシュワシュワで喉の渇きを癒します。
初訪問時の最初の料理で私の胃袋を鷲掴みにした特製「キッシュ」、特にキャラメリゼされた玉ねぎにシェフの仕事に一目ぼれ(^^;)
一見するとかまぼこに見えますがこれもオリジナルのホタテのムース、少し硬めの身には繊維状のホタテの甘みを感じ炙って香ばしさを皮目がアクセントに。
それに添えられたのは野菜から出る水分だけで煮たエチュベ。
ポテサラって造り手によって味が変わるシンプルながら難しい料理、ここはジャガイモの旨味だけの直球勝負。
本来なら壁のホワイトボードのメニューから選びますが、ラストウィークはコース仕立てでした。
これも大好物の「ピスタチオ入り田舎風パテ」、ひき肉やレバーの存在感プラススパイスの調和が見事な一皿。
ピスタチオが味にアクセントを付けてくれますが、例えばオムライスにブロッコリーを入れたりとシェフの料理には食感の妙を感じます。
鶏の骨を外し中にファルス(挽肉を香辛料などで味付けしたもの)を詰めて蒸したガランティーヌ、鶏肉のジューシーさにフォアグラのコクが相まって得も言われぬ美味しさ(≧◇≦)
ならばこいつの出番でしょう(^^♪
いつもお邪魔すると一回は必ず停電で消えるテレビ、この日もシッカリ仕事してました(*´ω`)
ランチでも好評だったハンバーグはまさに洋食の王道、ジューシーなミンチに肉汁とスパイスの香りが渾然一体となり胃袋を刺激します。
同化してますがハンバーグの上にはフォアグラと桃、それを素材の風味を引き立てる特製ソースが包み込んで優しい味に(^.^)
ラザニアで今宵の晩餐は終了ですがこれが泣いても笑って最後のお皿、ソースもミンチも美味しいですがさすがに込み上げてくるものがありました(>_<)
ワンルームマンションばりの超極小キッチンから繰り出される本格的で骨太なシェフの料理、有名レストランで修業をされたその腕は輝いていました。
わずか一年のお付き合いでしたが、私のグルメシーンの中で強烈な印象と素晴らしい料理を残して下さった北新地「寺田屋」さん。
寺田屋さんに出会えた事で洋食の勉強をさせてもらい、美味しい料理とマダムの笑い声が心地よかった一年でした。
(追 記)
寺田屋さんは当分店舗での営業は未定だそうですが出張料理をされています。
アメブロ「元寺田屋の徒然なるおはなし」をのぞいていただくと、その内容や雰囲気が写真付きでアップされています。
記念日などでご自宅で本格的な洋食が楽しめるので、興味のある方はぜひ検索を(^_-)-☆