先ほどの旧岸名家から徒歩2分、こちらは登録有形文化財に指定されている「旧森田銀行本店」。
明治時代廻船業の衰退を察知した森田三郎羽右衛門が1894(明治27)年に森田銀行を創業し業種転換を図り、確かな信用のもと県内上位の銀行へと成長させました。
銀行銘板は豪華な大理石。
外壁は一見するとレンガ造りに見えますが、実はタイル張りです。
屋上の煙突は復元で現物は横の駐車場にありますが、なんかほったらかしで雑な展示です(・_・;)
一歩中に入ると息をのむ豪華さで見事な漆喰模様、福井県内に現存する鉄筋コンクリート造の最古のものです。
天井なんてどこかヨーロッパの教会の様で、細部のデザインにこだわりが垣間見えます。
カウンターは欅の一枚板でその長さは約7メートル、こげ茶色が真っ白な内壁によく映えます。
温かみを感じる暖炉、所々で西洋のテイストを感じます。
この金庫大扉ですが当時の金庫室は20畳程度、横にある金庫小扉は中に閉じ込められた人のための脱出用だったらしいです・・・
館内で一際目立つ大理石の独立円柱、しかしこれは大理石ではなく鉄筋に漆喰を塗りマーブル仕立てにした左官工事(◎_◎;)
重厚な階段を二階に上がると・・・
当時から使用されていたテーブルと椅子が残る会議室、二階から眺めるとまるで舞踏会場のような気品と優雅さに満ちている空間です。
森田銀行はその後福井銀行と合併し近年までここは福井銀行三国支店として営業、1994年に坂井市の財産となって現在に至っています。
銀行から5分も歩けばそこは一級河川「九頭竜川」でここ三国町は左支川と日野川と合流地点、その雄大な流れがここから日本海河口へと注いでいます。
町はコンパクトですがその一つ一つが興味深い「三国湊」、芦原温泉からも近く敦賀への経由地でもあり好アクセスの観光地です。