カキとヤギのチーズの組み合わせはそれぞれ個性的な味で喧嘩しそうが、海のミルクに山のミルクが出会うとお互いが持つコクと旨味が一層増していきます。
また口直しで添えられた紅玉のキレのある甘さで、野性味が残る鼻腔もリフレッシュさせてくれます。
コロッケで唸らされたベシャメルは今度グラタンで再登場、中には地鶏と海老が忍ばせてあり互いが持つ独特の食感も楽しめるお皿です。
続いての白はアブルッツォ州アブルッツォの「マラミエーロ プンタディ・コーレ 2016 IGT」、琥珀色に輝きスパイスなどのリッチで複雑な香りに口中で風味豊かな果実味の広がりがるシャルドネです(^^)v
お肉の皿は、
★北海道産サフォーク(羊)のハンバーグ
羊の生命力を感じコクを足すために豚肉も練りこんであり、脂切れの良い肉汁がたまりません(*´ω`*)
★イチボのカカオ添え
請来軒でも人気のイチボは濃厚な旨味と肉肉しい脂身と香りが特徴、カカオの苦みで脂を抑え込み風味を生かしています。
添えられた原木舞茸のフリットは、お肉に負けない鮮烈な香りが際立ちます。
お肉に合すのは「チェント スタイア 2013 ジョコリ」の赤ですがこのワインにはストーリーがあり、かつてキャンティには6%まで白ブドウの使用が認められていたが2006年にキャンティクラシコ協会は白ブドウの使用を一切禁じてしまいました。
でもジョコリはそういった事は度外視して古くから続く自分たちの暮らしに根差したワインを生産、スパイシーな香りに反して飲み口はアロマを感じその余韻が長く続きます。
チェント・スタイアに合いますと供されたのが地鶏のレバーペースト。
朝引き地鶏の新鮮な肝をブランデーで漬け蒸して濾したペースト、強烈なレバーの旨味がやって来てその脂身は重めですが驚くほど脂はサラッと消えていきます。
パスタは平打ちの玉子麺を使用し羊のミンチがゴロゴロ、このミンチも単に炒めたのではなく仕事がなされた物。
それでも羊の旨味や風味しか感じず、それらがより一層強調されています。
デザートに合す「アルジオラス イセリス ビアンコ」はパイナップルやパパイヤなどのフルーツ香にフラワリーなアロマが混じり合う印象的な香り、飲むと丸みのある豊かな果実感とミネラル感が口中を支配、でもフルボディですが酸とミネラルに支えられたバランスが良いワインです。
巷のケミカルな味ではなく生クリームもバニラビーンズも良質なものを使っていると分かるパンナコッタ、味はもちろんのこと舌触りが絹のように滑らかな逸品です。
お客様が持ち込みした愛媛県今治産の「リモンチェッロ」で今宵の宴は終了。
ご案内して下さったお客様から尊敬の念を持って「変態」と紹介された城越シェフ、全ての食材にとことんこだわり調理法もかなり手の込んだお皿ばかり。
ワインペアリングも申し分なく全て身を任せての素敵なディナータイム、五感で楽しみシェフのお話しが大変心地よかったファインダイニングでした(^_-)-☆