京の夏を彩るのはご存知「祇園祭」、私も大学時代4年を過ごした京都に親しみを感じえません。
山鉾巡行が有名ですが祇園祭は大小合わせて7月1日から31日までお祭りは続きます。
祇園祭りの由来はこちらの案内をどうぞ。
時は7月某日降り立ったのは阪急烏丸駅、山鉾巡行は終わりましたが四条通は祇園祭りの余韻がまだまだ残っています。
四条通から枝分かれした細い通りを奥にグングン進んで行きます。
風情ある建物は湯葉専門店、このような老舗が街中至る所でその暖簾を守っているいかにも京都らしい風景です。
重厚な造りの渋~い銭湯、創業は江戸時代かな?
京の台所と誉れ高い「錦市場」もいまや観光スポットで商店街を歩く人の半分は外国人観光客、店は外国人ウエルカムのおもてなしと頑なに地元客を守るお店が混在しています。
京都にやって来た最大の目的は懇意にさせて頂いている、京料理の「京甲屋」さんで夏のお料理を味わいに来ました(^^)v
落ち着いた店内に進化を続ける中庭、こんな贅沢な空間で日本の心「京料理」を存分に楽しみます。
キリン一番搾りプレミアムと麦芽の香りを楽しみつつ、懐石料理が始まります。
一品目は蕎麦がきの餡掛け。
最初は胃に負担のかからない蕎麦がきとそれを覆うは和食の命であるお出汁から作った餡、静かに京甲屋さんの懐石料理の幕が上がりました。
続いてはつぶ貝のカルパッチョ。
大将の出身地である北海道のつぶ貝を塩とスダチだけの直球勝負、一般的な醤油で頂くより味も香りも存分に楽しめます。
予約時大将に「鱧が食べたいです・・・」とリクエストしたら、まな板の上には立派な鱧が(;O;)
目の前で大将が魚を引いたり軽快な骨キリの技を披露、このライブ感もカウンター割烹ならではです。
サーブされた鱧の落としを一口食べてびっくり、中身はほんのりレアで刺身を食べているよう。
味は推して知るべし、こんなに柔らかくそして旨味の強い鱧は初めて(^^)v
京甲屋さんはドリンクメニューも豊富ですが、特筆すべきは日本酒。
ここは大将(お酒のお好きな方)にお任せするのが一番で一杯目は宮城県塩釜の「浦霞」、香りもさることながら米の強烈な旨味がいつまでの続きます。
炙り鱧も落としと同じく中身はレア、炙った香ばしさが鱧の甘みをより一層引き出しています。
大トロの炙り・・・
目をつぶって味わうと牛肉に負けない芯の通った濃い肉質、それに焼き目の香ばしさがプラスされた悶絶のお皿です(^^♪
箸休め的なゴーヤのお浸し、アクが丁寧に取り除かれ苦みが大トロの脂を洗い流してくれます。
二杯目の日本酒も宮城県の「日高見」、飲み口はガツンと来ますが喉越しは淡く消えるやや辛口。
出ました~☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ 京甲屋さんの名物でもあり私の大好物「八寸」。
今日もビジュアルから興味をそそる八寸、これが目当てだと言っても過言ではありません(^^;
京甲屋さんの看板メニューがメディアでも度々取り上げられる「豚の角煮」、お取り寄せなら半年待ちの人気商品です。
じっくり煮込まれたトロトロの食感と、甘さ控えめのタレとの相性は抜群(^^♪
涼味を感じる魚から作った「海素麺」。
歯がなくても噛み切れるほど柔らかいタコの桜煮、たで味噌田楽がアクセントのスズキ、脂がのったイワシの甘露煮で盃がすぐ空に・・・
八寸の途中ですが我慢できずに三杯目に突入、今度は福井県は黒龍酒造さんの「九頭竜」。
特にこの大吟醸は入手困難な銘酒、香り・旨味・喉ごし・余韻が高いレベルでまとまったさすがは福井のお酒です。
辛みを抑えた自家製からし蓮根に小ぶりなのに肉質とワタの苦みが絶品の小鮎塩焼き、祇園祭りを食で楽しむ鱧山椒煮のちまきおこわ。
和食の王道を修行された大将ですが、枝豆コロッケの中にチーズを入れるなど美味への探求心が料理に見え隠れします。
鱧と松茸のお吸い物は大将自慢の出汁が効いており、和食の素晴らしさが集約されたお椀です。
懐石のシメは最近からメニューにオンリストされた「手打ち蕎麦」。
大将に「蕎麦に合う日本酒を」とオーダー、サーブされたのは奈良県は御所市の「櫛羅(くじら)」。
日本酒好きの私もこの銘柄は初めて、飲み口から余韻まで平坦な味ですが喉の奥で米の旨味がとどまります。
蕎麦の香りを楽しむため薬味は塩のみ、蕎麦の実と塩と日本酒の取り合わせに和食の奥深さを実感。
デザートは焼きナスを皮ごとミキサーにかけ、上白糖と生クリームを加えたすり流し。
ナスの味に焼いた皮目の香ばしさまでは和食ですが、生クリームのコクと上白糖の優しい甘味で立派なスイーツに昇華。
毎回新しい味と発見の連続ですが、それ以上に素晴らしい和食のお店が街中に点在する京都の奥深さを感じました。
四季折々の食材を楽しめる京甲屋さんのお料理、次回は紅葉の頃に訪問かな(^^;)
大将、今回もご馳走様でしたm(_ _)m