この芝前門をくぐると目の前に飛び込んで来る日本庭園、その先にあるのが・・・
偕楽園を創設した水戸藩第九代藩主・徳川斉昭が自ら設計した別邸「好文亭」、その昔ここで藩主が家臣や民衆と詩歌を楽しんでいたそうです。
藩主が過ごした部屋や家臣の部屋にお付きの者の休憩室など多くの部屋(間)がありますが、どの部屋も梅・桜・萩・紅葉など部屋名と同じ花木の絵が見事な襖絵の数々。
好文亭三階部分「楽寿楼」からは千波湖が一望でき、花の季節には絶景が広がります。
ここには設計した斉昭公の創意工夫が随所に見られます。
部屋の片隅にあるのが配膳用の昇降機で階下から滑車式昇降機(現在のリフト)が備わり、日立や三菱もビックリ日本初のエレベーターとも言われています。
他にも畳の縁には徳川家の紋章「葵の御紋」、ビフォーアフターも舌を巻く匠の技。
戸を開けなくても室内の様子が分かる取手、KGBばり情報収集力には脱帽。
楽寿楼正室の床の間に設置された漆塗りの「富士見窓」、離れた部屋からも外の景色が眺められるユニバーサルデザイン。
蒲田行進曲でヤスが転げ落ちた階段より角度が急な階段は、敵が不意に攻めてきた時を想定した物で上り下りにはご注意を!
単なる古~いお屋敷だと思ったら大間違いで襖絵や漆塗りの板間などの美術的な要素と、斉昭公のユニークな設計に知らぬ間に好文亭ワールドに引き込まれます。
その当時行われていた歌会の声が聞こえてきそうな、そんなロマンを感じた好文亭でした(^^)/